第66番 雲辺寺



2007年10月20日更新

第66番 雲辺寺 (うんぺんじ)
2007年8月15日巡礼
四国八十八ヶ所巡りは今ふうに言うと、スタンプラリーだと思います。
信仰を通じて、お寺にお参りし、納経すると納経帳に墨書と朱印とご本尊のお姿のお札がもらえます。
見方を変えると1200年も続いている壮大なスタンプラリーなのです。
ちょっと抹香臭いかも知れませんが、そう言う目で見るととても新鮮な驚きに満ちている事に気が付きました。
まず、お寺の配置。ぐるりと四国を一周するのにお寺の密集地帯があるかと思うと行けども行けども何もない場所がある。
そうかと思うと一ヶ所二札所や、お寺の距離数百mなんてラッキーポイントが有ったりします。
風光明媚な場所が有るかと思うととんでもない山の中まで行かなくてはいけない場所があります。
そうした険しい山の中のお寺は、遍路を試す関所なのだそうです。

第66番 雲辺寺はそうした遍路道の順打ち最後の、そして最大の関所です。
雲辺寺へはロープウェイのルートが有名ですが、今回は女房の発案で車で挑戦しました。
高松道 大野原ICから車でロープウェイ方向に走り、次は徳島方面へ、既にこのあたりで道は相当に厳しくなってきます。
トンネルを抜けると行き過ぎなので引き返し、(僕は行き過ぎましたが・・・)トンネルの前の林道の様な道に入り、ひたすらお寺を目指します。
ここからは10km以上の道のりを車との格闘です。
道は車一台がやっと通れるくらいの細さ。片側は切り立った山、片側は崖。下も見えずガードレールもない。
杉や桧の林を右に左に見ながら急坂を登ったり、下ったり。
一瞬高原の様な場所に出て、ほっとしましたが、そこから2kmはすざまじい道でした。
わだちがひどく、道はひび割れ、車をセンターから少しどちらかに寄せて走らなければならない、そんな荒れた道です。

ようやく寺の駐車場に着き、はて、車をどこに停め様かと思っていると、
「そこは停めたらいけんよ。」
と親切に他の車のドライバー氏が教えてくれました。よく見ると看板に[転回場なので駐車しないでください]の文字が。
「気ぃ悪うしたらごめんよ。」
「いえいえ教えてくださってありがとうございます。」
心遣いに感謝です。

ここからは歩きです。
お寺までの約500mをヒノキチオールを浴びながら、まるで森林浴気分で歩けます。
下界に比べて気温も低く涼しいので歩くのも苦になりませんでした。
車の場合、道路の維持費用500円が別途必要になります。最も、領収書代わりにお箸が戴けるのでかえって得した気分です。
さて、帰り道、最後の関門の余りのすごさに別ルートを選択し、大興寺方面を目指す事にしました。
比較的快適な道を下って、林道の様な道を延々と走って、出て来た分岐。

「これ、行くの?」

このルートもまた車との格闘を余儀なくされる道でした。
さすがは最大の難所。車で行くのは本当、冒険ラリーですよ。

    

左より 駐車場からの道  山門  本堂が見えてきました

    

美しい灯篭が並ぶ境内  本堂(改築中でした)  仮本堂


前のページに戻る

トップページに戻る